賃貸の原理
自然冷房の試みです。
わが家の庭に縦坑をつくり、そこからえんえん1mのトンネルが地下を走って居間に開口しています。
地下の温度は、深さ2m以上になると一年中、約17℃と変わらないので、このトンネルの涼しい空気を家に導いて冷房しようというのが、クールチューブと呼ばれるパッシブ冷房手法です。
わが家のトンネルは2mよりは浅いのですが、半分以上が家の下を通るので、温度はもっと深いトンネルと変わりません。
まだ基礎工事のころ、吹きさらしの寒い現場で大工さんたちがこのトンネルに頭を突っ込んで、「おー、暖かいよ」と大喜び。
これはきっと夏にはずいぶん涼しいに違いないと期待がはずみます。
それまで住んでいた家では夏、2階へ上がると猛烈な熱気がたまっていました。
熱い空気は熱気球のように上昇しようとして上にたまるわけですから、2階への吹き抜けの頂上にある排気窓から逃がしてやれば一気に出ていくはず。
さらに屋根の形状も工夫して、風による吸い出し効果をも利用しました。
ところが一向に、トンネルから風が出てきません。
まず風がない。
だから名古屋の夏は建て主の理解度の高さをうかがわせます。
クールチューブ冷か遅くまで暑いのですから……。
さらに、2階にたいした熱気団ができません。
それまでの家の2階は、目が回るほど暑くなっていましたが、これは断熱が悪かったからだったのです。
そこで、ためしにトンネルに換気扇を取りつけて冷気を強引に家に押し込んでみたところ、たしかに低温の風が居間に出てきました。
初日は家中カビ臭くなり、ひどい思いをしました。
それも翌日からはなくなり、17℃の風が安定して出てきました。
もし家の中が外と同じように17℃もあって、トンネルの吹き出し口に座り込んでこの湿った風をあびたら涼しいのかもしれませんが、それは快適な生活とはほど遠いものです。
住宅の広告をみると、しばしば「縁の下の涼しい空気で、夏は家が涼しくなる」などというのがありますが、こんな大げさなトンネルをつくっても家を涼しくするには遠くおよびません。
この手の家を建てているトンネルの涼しい空気を家に導いて、自然冷房の試み。
トルコの洞窟ホテルにみる冷房。
林立するきのこのような奇岩の写真をみただけで、ぜひとも一度は行ってみたいと思わせる有名なトルコのカッパドキァ地方は、世界中から訪れる観光客がたえません。
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